今、この時を…


「何と美事《みごと》な業でござろうか」
 目をキラキラさせ、感嘆の声を上げる空蝉丸に、アミィはクスリと笑った。
 実は戦国生まれで、血で血を洗う戦場《いくさば》を生き抜いてきただけでなく、かつてはたった一人で、デーボス軍と戦い、“伝説の豪剣士”とまで称された空蝉丸は、意外や現代に早々と馴染んでいた。
 無論、その心の奥底までは量り知れぬが……。
 敵に取り込まれていた空蝉丸は四百年程を経て、己を取り戻した後、暫くは大らかで人が好いとまで云われる素顔を隠していた。アミィたちにもわざと無愛想に応じ、やたらと厳しい物言いや態度を崩さず、皆の反感まで買っていた。
 ところが、ちょっとしたことで、素がアミィにバレてしまい、結局は皆の知るところにもなった。
 これで、本当に戦国の世を戦い抜いてこられたのかと、疑問に思うほどに人の好い剣士が“伝説の豪剣士”と伝わっているのだから、苦笑を禁じ得ない。
 それでも、剣士として、そして、戦士としての実力は疑いようがない。剣術だけでなく、全ての戦闘力に於いて、空蝉丸ことキョウリュウゴールドはアミィらキョウリュウジャーを凌駕していた。今のところ、まともに渡り合えるのは万能戦士のリーダー・キョウリュウレッドのダイゴくらいだろうか。
 もっとも、彼の影響で、他の仲間たちの士気が上がることにもなり、戦隊としての戦力アップにも繋がった。

 そんな豪剣士が三段重ねアイスを眺めて、溜息を零しているのだから、いやはやギャップが凄まじい。
 アミィが奢ってあげてからというもの、すっかり、アイス《氷菓子》に魅せられてしまったらしい。
 何しろ、戦国の世では砂糖などは超高級品で、庶民の口になど入るわけもない代物だ。更に氷はそれ以上の貴重品。
 それが一つとなった究極の美味を、しかも、市井の人々も手軽に楽しめることに、何より空蝉丸は感じ入ってしまっていた。

 それからというもの、時々アミィたちの差し入れなどを喜んで食べていたが、今や、こうして、自らスタンド店に足を運ぶようにもなった。
 しかも、アミィの奢りではなく、きちんと自分の『稼ぎ』で買っているのだ。
 稼ぎとは、アミィの行儀見習いの師匠《せんせい》としての、結月家の執事ジェントルからの報酬や、ブルーことノブハルが普段、経営している『なんでもや まるふく』のバイト料だったりする。
 実はお嬢様なアミィを恩人と見做している空蝉丸は、恩返しだから、礼などは受け取れないと当初は固辞していたが、『正当な対価』を支払わなければ、結月家の体面にも関わると、一歩も引かないジェントルに押し切られたのだ。
 何しろ、戦国の世の武家の礼儀作法を呼吸するように自然体で熟《こな》せる希有な存在だ。アミィがキョウリュウピンクとして活動することを認めているジェントルは一方ではアミィを超一流のレディとして、仕込むことも勿論、諦めていないわけだ。
 『まるふく』の方も似たような流れだ。仲間としてもノブハルは空蝉丸の日常の生活の助けになりたいと願っているのに違いない。

 前置きが長かったが、まだまだ暑い晩夏の日の昼刻、空蝉丸はアミィと連れ立って、アイス・スタンド店を訪れていた。さすがに常に背負っている愛用の剣ザンダーサンダーは置いてきている。変身具であるガブリチェンジャーも外し、肩に掛けたデイバッグに入れてある。
 夏の初め、現代初めての海水浴で玉砕した際は双方装備したままの水着姿という余りにもキテレツな姿が人の目を引きすぎたので、アミィが改めさせたのだ。
 変身さえすれば、剣は招来できるのが強みだ。ただし、変身しなくても、ザンダーサンダーも使いこなす空蝉丸は中々、承諾しなかったが。

「それにしても、サーティワンはいつも、盛況でござるな」
 空蝉丸のカタカナ語のアクセントは些か、オカシいが、復活したばかりの頃に比べれば、格段に進歩している。初めは片言棒読み平仮名にしか聞こえなかったものだ。語彙も着実に増えていっている。
「手軽に色んな味を楽しめるからね。サーティワンは31って、意味なのよ」
「ホウ、数字が店名とは面白き発想でござるな。謂われでもあるのでござるか」
「それはね、一ヶ月間、毎日違う味を楽しめるから、ってことよ」
「なるほど。現代の一月は三十日だったり、三十一日だったりするのでござったな。しかし、さすがに毎日、来るのは無理……。全ての味を食せるのは一体、何時になることやら」
 伝説の豪剣士は本気で、全種類制覇を目論んでいるのかもしれない^^;


 さて、アイス店となれば、やはり圧倒的に家族連れと女子の集団が多い。男がいるとすれば、カップルの片割れか、家族連れの父親くらいなものだろう。
 イイ年の男が独りで並んでいるくらい、浮いている光景もないものだ。空蝉丸の普段の格好ならば、尚のことだ。
 すると、行列の最後に並ぼうとするアミィたちの方に、一人の男性が近付いてきた。通り過ぎていくかと思いきや、何と、同じく列に並んだのに、アミィは内心では仰天する。
 どう見ても、四十絡みの背広姿の男は空蝉丸以上に、この行列にはそぐわない。
 だが、更に驚いたことがあった。空蝉丸がその男に声をかけたのだ。そして、男の方も平然と挨拶に応えた。
 当然、慌てて、アミィは空蝉丸の袖を引いた。
「ちょっ、ちょっと、ウッチー。なに、知り合い?」
「え? まぁ、顔見知りというものでござるかな。並んでいる内に何度か顔を合わせるようになって…。拙者などとは比べものにならぬほどに、氷菓子にも詳しい故、色々と御教授願っておるのでござる」
 御教授って……つまりはオススメの味などを教わっているということだろうか。
 にしても、この二人が並んで、味を選んでいる光景というのは、かーなり強烈そうだ。店員もさぞ、対応に困ることだろう。
 想像して、つい苦笑してしまうアミィにも気付かず、空蝉丸は本日のオススメなぞのお伺いを立てている。
 それに対し、男性は淡々と…、しかし、丁寧に説明してくれる。傍らで聞く限りでは確かに詳しそうだ。人は見かけによらないというか何というか;;;
「では、本日は、それを試してみるでござる」
 空蝉丸の「ござる」口調にも大して驚いた様子も見せず――案外、慣れただけかもしれないが――男性は頷いた。
 その時、男性のポケットで着信音が響いた。相手は仕事の部下らしく、言葉少なでも、何やら指示をしている。
 だが、空蝉丸が何かを拾い上げるのに、アミィも気を取られる。
「何?」
「あ、今、こちらが落とされて……」
 その言い方から、さすがに相手の名前までは知らないのだと判ったが、それは男性の名前入りの身分証らしかった。
「あの、落とされましたぞ」
「あぁ、申し訳ない」
 通話が終わったところで、空蝉丸が差し出すと、男性は受け取り、携帯と一緒にポケットに戻した。
「失礼だが、松平殿と申されるのでござるか」
「そうですが」
「もしや、三河の松平様と関わりがあるのでござろうか」
「三河の松平? 徳川家のことですか。いや、考えたこともないが、多分、違うと思います」
「左様でござるか。いや、失礼を致しもうした」
 違うと言われれば、それまでだが、空蝉丸は少しばかり首を傾げていた。
 しかし、程なく注文の順番が回ってきたので、目をキラキラさせて、未知なる味へと挑んでいった。


☆        ★        ☆        ★        ☆


 この日の味を存分に楽しんだ後、アミィの買い物を済ませた二人は夕刻、スピリットベースに戻った。とはいえ、夕食時までにはアミィを結月家に荷物とともに送ることになるだろうが。
 差し入れとお茶を仲間たちに振る舞いながら、空蝉丸が何やら、考えている様子なのに、観察眼の鋭いイアンが気付いた。
「どうかしたのか、ウッチー」
「あぁ、イアン殿。もしや、御存知か? とくがわ家、とは三河の松平様の御縁戚でござろうか」
「トクガワ? 縁戚っつーか、そのものっつーか。江戸《エド》の幕府《ショーグネイト》を開いた将軍家《トクガワ・ショーグネイト》だろう」
「ショーグネイト?」
「あ、幕府とか、将軍家のことでしょ」
 現役高校生のソウジが口を挟む。しかし、言葉の意味は理解《わか》っても、自らの知識と異なる部分が多く、空蝉丸は混乱するばかりだ。
「江戸に幕府? 幕府があるのは京では。将軍家も足利家のはずでござるが」
「そっか。ウッチーがいた戦国の世じゃ、まだ室町幕府は残ってるんだね」
「殆ど傀儡だったんだろうだけどな。徳川家も名乗ってなかったから、ないっちゃないんだな」
 イアンは考古学者で、歴史学者ではない上に外国籍だが、その程度の知識は持ち合わせていた。ソウジは学生というだけでなく、家が古くからの剣術道場であるため、歴史には詳しいようだ。
「徳川家康も、まだ松平姓だったんだよな……」
「何と、松平様が幕府を打ち樹てることになるとは……。三河は今川様と織田様の間《はざま》の小国故に、苦慮されていたはずだが」
 新たな知識に空蝉丸は頻りに首を振っているが、アミィも興味を引かれたことはあったようだ。
「そういえぱ、そのミカワって、どこの町?」
 やはり、海外暮らしの長かったアミィは日本の旧国名には疎い。
 一般成人のノブハルが苦笑しながら、説明する。
「三河は今の愛知の東部辺りのことで、徳川家の出身地だよ。元々は松平って名乗ってたんだ」
「へぇ、そうなんだ。あー、だから、さっきの松平さんにもあんな風に聞いてたんだ」
「誰だよ、松平さんって」
 食べるのに夢中だったダイゴも興味を引かれたようだ。現代生まれではないために、仲間たち以外とは当然、距離を取っている空蝉丸と知り合いだというのは解ったからだろう。
「ウッチーのアイスの先生よね。何か、凄い渋い感じの人だった」
「左様。いや、松平殿は佇まいも堂々とされ、その所作にも、御館様にも通ずる風格が具わっておられた故、もしや、と思ったのでござるが」
 少しばかり、過去を思い返しているのか、遠い目をする空蝉丸に、ダイゴやイアンは密かに溜息をついた。
 空蝉丸の嘗ての主君だったという戦国武将はタイゴと瓜二つらしい。以前はダイゴとも幾分、戸惑いをもって、接していた。
 何れにしても、これは彼の生きる力にも通ずる思い出だ。後ろ向きなものから、前向きに変わったとしても……。
「御館様にねぇ。それは松平家とか徳川家とかは関係なくて、その松平さんの仕事とかの影響じゃないか」
「そうだな。多分、何らかの責任を負った立場にいるんだよ。そういう意味じゃ、ウッチーの御館様に雰囲気似ててもおかしくないけどな」
「そういう人なら、今の時代にだって、たくさんいると思うよ」
 かつてはエリート商社マンとして、世界を渡り歩いていたノブハルは、そういう人間を大勢、見てきただろうし、自身も部下を持っていたはずだ。
「なるほど、言われてみれば、道理でござるな」
 納得したらしい空蝉丸は自分も席に着き、お茶を啜り始めた。



 夕方、アミィの荷物を抱え、空蝉丸はそのお供で結月家に向かった。
「今日のアイスも美味しかったわね」
「真に美味でござった。されど、三段重ねに挑むのは中々、難儀でござるな」
「本当ね」
 一頻り笑う二人だが、アミィは少しばかり、空蝉丸が上の空であるように感じ、そっと窺った。
 ふとアイス店で行き合った男性のことを思い起こした。案外に屈託のない表情で、話していた空蝉丸のことも……。
 仲間であるはずのアミィたちの前ですら、ついぞ見せたことのない表情だった。
 アイス店でしか会わないように、関わりが薄いからこそなのかもしれない。

『松平殿は佇まいも堂々とされ、その所作にも、御館様にも通ずる風格が具わっておられた故、もしやと……』

 御館様は――かつての空蝉丸にとって、本当に全てだったと聞かされた。生きる理由であり、戦う原動力にもなっていたと。
 その誰よりも大切な人を奪われ、また、多くの仲間たちも失い――空蝉丸は我を忘れた。
 悲しみにも似た怒り故に敵に囚われ、永き時を越え、新たな仲間たちの心によって、敵の戒めを解くことはできたが、それでも、やはり彼は孤独《ひとり》なのかもしれない。
 彼にとっては本来の時代ではない、今のこの世で、空蝉丸という人としてではなく、キョウリュウゴールドとしての力を振るい、敵を滅する――それだけを考えているようにも思えるのだ。
 かつての主君が危惧したように、人が好く優しいからこそ、他人のために命をも賭して、戦えるのかもしれない。
 そんな戦い方は止めてほしいと、ダイゴやアミィも説くが、今一つ通じない。困ったように、その時は「申し訳ない」「承知した」と答えるが、一向に改まる様子がなく――彼は真っ先に突撃していく。
 たった独りの『強き竜の者』として、斬り込んでいく――それが戦国の世のキョウリュウゴールドに求められた役割だったのだから、忘れろと言っても、簡単に切り替えられるはずがないとはアミィたちにも解ってはいる。
 解ってはいても、それが当然だという顔で、傷付くことも省みない空蝉丸を皆が案じているのだ。
 案じることしかできないのが心苦しい。空蝉丸が飛び出していくのは現時点では、彼が最も戦い慣れをしており、その実力も飛び抜けているからだ。
 それこそ、今のアミィたちではまだ、数人掛かりでさえ、彼を抑えることはできないだろう。つまり、止めることも叶わない。
 仲間だ仲間だといっても、実際のところ、本当に背中を預けて、戦えるほどの関係であるのか――アミィには自信がなかった。

 唯一、対抗できそうなのはダイゴだけだが、彼ならば、悩むことすらしないのかもしれない。ひたむきで、真正面から、信頼をぶつける。危ういほどに、背中も曝す型破りなリーダーに、知らず知らずの内に、全員が引っ張られていた。
 空蝉丸もまた、例外ではない。彼が素の己を隠すことを止めたのはダイゴの影響に違いなかった。
 別にダイゴが御館様に似ているから、ではない。似ていたとしても、それは表層的なことでしかないだろう。
 魂の――戦う者にとっての、ブレイブの強さの顕現《あらわ》れ…、その輝きがダイゴに関わる者の全てを魅きつけて、止まないのだろう。

 それでも、空蝉丸はまだ、本当の意味で、現代を生きようとしているとはいえない。命と、生きる力の全てをも、戦いに注ぎ込みかねない。
 アミィは少しでも、空蝉丸の心が慰められるように、戦いとは無縁のことに興味が向けられるようにしたかった――理由を付けて、外に連れ出すのはそのためだった。
 氷菓子《アイス》はその一端ではあるが、まさか全てにはなり得ない。元来、戦国の武士《もののふ》であり、伝説的な剣豪であり、『強き竜の者』でもある空蝉丸にとっては、やはり戦いが全て…、なのかもしれない。

 だが、戦いに何もかもを捧げるような生き方は悲しいではないか。
 アミィもまた、キョウリュウジャーの一員として、この世界と人々を守るために戦う――そんな重い宿命ともいうべきものを背負ってはいる。
 それでも、戦うのは自分自身の未来のためでもあると信じている。お嬢様としての日常、友達との学生生活、同じ宿命を負う仲間たちとの一時……自分に繋がる刻を手にするためにこそ、力を振るいたい。
 空蝉丸にも、身を投じるのなら、世のため、人のためだけでなく、彼自身のための戦いに――それを忘れないでほしいのだ。
 しかし、どうしたら、この気持ちを空蝉丸に伝えることができるのだろう。
 こんな風に案じているのは自分だけではないはずだ。イアンもノブハルも、ソウジは無論のこと、万事、楽観的に振る舞うダイゴとて、本心では気にかけているに違いないのだ。
 一体、どうしたら――……。


「……ィ殿。アミィ殿、如何なされた」
「え…!?」
「お屋敷でござるぞ。ジェントル殿がお待ちかねでござろう」
 少しばかり、茶化すような言い方をしたのはアミィが意外と深刻な顔をしていたからだろうか。慌てて、空いている手で頬を叩いた。
「アミィ殿?」
「なっ、何でもないわ。送ってくれて、アリガト、ウッチー。もう大丈夫よ」
 空蝉丸が請け負う荷物を受け取ろうとしたが、当然のように、手放そうとはしない。
「いやいや、玄関先まではお送りいたす。ジェントル殿との御約定でござる故」
「……いつの間に、そんな約束。私、そんな子供じゃないのに」
 デーボス軍と戦うことは認めてくれているくせに、妙なところで過保護なのだから、困る。
「そう言わずに、拙者も荷物ともども、アミィ殿をジェントル殿にしっかりお渡しいたさねば、安心できませぬ故」
「何よ、ウッチー。私は荷物扱いなわけ?」
「いっ、いや! 決して、そういう意味では!! あ、アミィ殿、ジェントル殿がほれ、出迎えに出ておられますぞ。急がれませ」
「ちょっ、ウッチーってばっっ」
 そそくさと荷物を抱えたまま、小走りに屋敷の門を潜っていく。言葉通り、ここからではまだ見通せない屋敷までの道筋の途中に人影が――ジェントルなのだろう。
「ホントに、もう」
 とはいえ、口で言うほど、怒っているわけではない。空蝉丸が自分を、自分たち仲間を気にかけてくれている証だとも思えるから……。
「待ってよ、ウッチー。一番、大事な荷物を置いてかないでよ」
 揶揄《からか》い口調で、後を追いかける。


 焦らないでもいいのかもしれない。
 四百年分の空白を、僅かばかりの時で、埋められるはずがない。だから……、
 思わぬ成り行きで、その四百年を越えた空蝉丸。本来なら、関わるはずのない彼らなのだ。
 それが『強き竜の者』という絆によって、結び付かされている。空蝉丸が昔々に、雷《いかずち》の竜に認められ、この現代に於いて、自分が角の竜に会い、打ち勝った。他の者もそうだ。そういう幾つもの巡り合わせの重なり――それこそ、奇蹟の中の奇蹟のような巡り合わせがなければ、集まることはなかった『戦隊』なのだ。
 ならば、奇蹟は続くのかもしれない。
 かつての『強き竜の者』――鉄砕もラミレスも、そして、空蝉丸も夫々の時代に於いては独りきりだった。
 だが、戦国時代から現代に現れた空蝉丸も、今は魂の戦士《スピリットレンジャー》となった鉄砕とラミレスも、仲間なのだ。掛け替えのない、仲間だ。
 孤独《ひとり》きりだった彼らも仲間を得られた。
 それはアミィらも同じなのかもしれない。初めて、『竜の力』を得た彼らが集まった時、家族に危険が及ばぬかと案じる余りに、素顔は見せないままでいようとノブハルから、提案があった。
 その過去故に、距離を置きたがっていたイアンも、家の事情で籠もりがちだったソウジ。アミィとて、結月家のお嬢様なのを隠したいが故に、同調したものだ。
 しかし、それもあっさりと素顔を曝したダイゴの底抜けの明るさと前向きさによって、乗り越えられたのだ。
 そうして、名実ともに『キョウリュウジャー』は結成された。

 空蝉丸も、一歩一歩を刻んでいるのなら――奇蹟は続く――とびきりの、素晴らしい未来が用意されているのかもしれない。
 そう、信じたい。



 『サイト開設12周年記念作』でございます。今年のHIT★作品ということで、『獣電戦隊キョウリュウジャー』でござい♪ 『ボウケンジャー』以来、ここまでハマったのは久し振りですね。つか、もう完璧に、『現代を生きる戦国生まれの雷使い剣士』にハマったというか^^
 同人を始めた『シュラト』とか、スランプ脱出のきっかけになった『星矢』とか、とにかく“神鳴”好きなのも影響してるんですかねぇ。まぁ、それ抜きにしても、最初はクールと見せかけての“ウッチー”の天然振りは強烈でした。でも、必死にクールに振る舞うところも中々、良かったけど。明日の放送も中々、キョーレツそう……。ポンポンを振り回す、伝説の豪剣士?

 ところで、アイスといえば、やっぱり副長☆ なので、実は『with プリトヨ』 最初は拍手でもと思って書き始めたんですが、先代パソが昇天し、三代目を待っている間にもチョイチョイ書き進めていたら、妙に長くなってしまいました♪

2013.10.05.
(Pixiv投稿:2013.10.08.)

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