螺 旋


 聖闘士──神代より伝わる聖なる衣・聖衣を纏い、戦女神《アテナ》に従い、世界を護る八十八人の戦士たち。その中で、十二人の黄金聖闘士は至高の戦士とまで呼ばれる。
 アテナの御許、世界を統べる礎となるべき運命を持った十二人の最高最強の聖闘士。
 だが、それが実は十三人にいることを知る者は少ない。


 黄道十二星座《ゾディアック》を冠した黄金聖闘士──その内の双子座は守護星座の如くに双子であるのが常だった。
 しかし、纏う双子座の黄金聖衣は一体のみ。故に、双子座の一人は“影”とならざるを得なかった。黄金の小宇宙を持ち、共に宿星を負いながら、表には出ず、影に潜む黄金聖闘士。
 だが、聖衣なき身で、果たして聖闘士と呼べるのか? それが不思議でならなかった。
 何故、俺だけが、俺たちだけが、こんな不自由を背負い込まされるのだと!? カノンはいつも不満だった。アテナのため、世界のため、というお題目はいい。ならば、表に出して、俺も働かせればいいじゃないか。この力を、存分に使えばいいだろうに!!
 そう、口にすれば、双子の兄にして、唯一無ニの双子の黄金聖衣を与えられたサガが必ず俺を窘めた。
『そんなことを言うな。お前もいつかは外に出られる。私がそうさせてみせる』
 どうやって? 手柄を立てて、褒美にでもして貰うのか? そんな甘い夢が叶うものか。
 結局、双子でも、何もできない俺の気持ちなど、お前には解らないのさ。
 それでも、もう一つだけ、方法がないわけじゃない。俺はお前の影、お前のスペア。お前に何かあった時、俺はお前の代わりに真の双子座となる。
 だが、それは俺が表に出ることじゃない。お前になる、それだけの話だ。
 そして、その時、お前は死んでいるか、生きていたとしても、二度と聖闘士としては立てなくなっているかで……それを俺に望めということでもあるんだ。

 ことが俺たちだけなら、俺もこんなにも荒れなかっただろう。黄金聖闘士の宿星を持つ黄金の兄弟──それが俺たちだけだったら!!
 そうだ。黄金聖闘士にはもう一組、兄弟がいた。双子ではなく、七歳差の仲が好いと評判の、射手座と獅子座の兄弟が。
 あいつらは一つの聖衣を分け合っているわけではない。俺たちとの違いはそれだけだ。
 双子か、そうではない兄弟というだけ。異なる星座の宿星の持ち主というだけ──なのに、俺は影に徹し、存在まで隠されてしまうのに、何故、あいつらは揃って、光の中にいられるんだ!?
 サガは悲しそうに俺を宥めようとする。
『彼らに当たるのはよせ。それほど、聖衣が欲しいのか』
 聖衣を持たない聖闘士が何処にいる。何の役にも立てない、ただ、兄のお荷物になるだけの者など、本当に必要だというのか。
 それなのに、あいつらは──いい気なものだ。
『よせ。彼らには彼らの苦しみもある。アイオロスは…、幼い弟が共に聖闘士の宿星を負っていることを決して、喜んではいない』
 アテナのために、命をも捧げ、死地にも赴く戦士。それが聖闘士だ。
 射手座のアイオロスは双子座のサガと共に自身も年若いながらに、黄金聖闘士筆頭とも呼ばれる──サガと違い、影など持たない正しく、光の黄金聖闘士!
 称賛に相応しい美しい黄金の翼を背に、最強と誉れ高い力を持ちながら、随分と甘いことだ。それとも、さすがは仁・智・勇に優れた聖闘士の鑑と褒め称えるべきか。御立派な兄貴だ。

『私にも、アイオロスの気持ちは解る。私は…、できることなら、お前を死地になど追いやりたくはない。だから、私は必ず、聖域に帰ってこられるのだ』
 自分が傷付き、動けなくなっても、双子座の黄金聖衣は弟の俺のものに──何だ、それは。俺はお前に護られているだけかっ!? それじゃ、お前が死地とやらに赴くのも俺のせいじゃないか。挙句に、俺には黙って、待っていろと言うのか!?
 今は幼い獅子座も、成長し、黄金聖衣を得れば、いつかは射手座の兄と肩を並べて、戦うだろうに──俺には絶対に望めないことなのか? それがどんなにか絶望的な未来か、どいつもこいつも解っていない。俺を気遣う風でいても、サガとて、全く解っていない!
 サガは兄の立場で、俺を縛るだけだ。
 そして、あの兄弟は──存在そのものが目障りだった。

 だから、俺は──……。


☆        ★        ☆        ★        ☆


 獅子座のアイオリアは毎朝、欠かさず、ランニングを行う。十二宮を下りて、聖域中を回り、適度に体を動かし、戻ってくる。それは非番でも執務のある日でも変わらない。
 周囲からは「よくやる」と呆れられるほどだが、動かないでいる方が精神的に落ち着かないのだから、仕方がない。殊に執務の日は座っている時間が長いから、尚更だ。
 そうして、日課になったものを終え、獅子宮に戻る途中、双児宮に差し掛かった時だ。入口に人影が見えた。純白の法衣を纏ったこの宮の守護者だった。
「おはよう、アイオリア。毎朝、精が出るな」
 双子座の黄金聖闘士は神の如しとも称される美しい面に、柔らかな笑みを刷き、爽やかに声をかけてきた。
 大抵の者は、それだけで舞い上がってしまうが、アイオリアは眉を顰め、溜息をついた。
「おはよう……。で、何のつもりだ、カノン。サガの法衣など着て」
 その一言で、表情がガラッと変わり、纏う雰囲気までが一変した。
「チッ。また見抜かれたか」
 髪をかき上げ、毒づく様は先刻の神の如き美しさを、どの辺の異空間まで飛ばしたのかと疑いたくなる。
「全くお前は、鈍いんだか、鋭いんだか、判らん奴だ」
「小宇宙の判別に、鈍いは関係ないだろう」
 頭から『鈍い』と指摘されて、面白いはずがないが、反論はカノンに完璧に聞き流された。
 そう、今更だが、彼は兄の法衣を拝借した今一人の双子座の黄金聖闘士だった。
「ムウでさえ、時々は見誤るというのに、何故、お前とシャカだけは騙せんのか。まぁ、シャカは納得できんこともないがな」
 小宇宙が違うからだ、と内心で囁くのに留めたのは、何を言っても、カノンが諦めそうにないからだ。まさか、サガの法衣まで着込んでくるとは思わなかったが……。もう一つ嘆息。
「通して貰うぞ。今日は登殿するので、急ぐからな」
「そんな日くらい、やめてはどうだ」
「だからこそ、走っておくんだ。失礼する」
 礼儀正しく断りを入れ、駆け去る。その背中に、カノンの視線を感じながら……。


★        ☆        ★        ☆        ★


 アイオリアの背中が見えなくなるまで、カノンは軽く睨んでいた。
 一本気で、感情の機微などには疎いというのに、小宇宙の制御能力は黄金聖闘士でも図抜けていて、その判別も得意とするアイオリアを一度として、騙せたことはない。遥か昔に、一度だけ会った時もそうだった。
 記憶が、過去に溯りかけた時、声がかかる。
「何をしている、カノン。やけに早起きかと思えば、私の法衣など引っ張り出して」
「……アイオリアが通ったんで、揶揄ってやろうかと思ったんだがな」
「私の振りをしたのか? 見破られただろう」
 兄のサガまでが当然のように言うのは面白くない。
「あぁ、連敗記録更新中だ。そうだ、サガ。今度はお前が俺になってみろよ。もしかしたら──」
「馬鹿も休み休み言え」
「いいや。アイオリアはお前がそんな真似をするわけがないと頭から信じているはずだからな。思い込みが目を曇らせるかもしれん」
 質の悪い皮肉に聞こえる。サガは深々と嘆息した。
「カノン。お前は……未だに、あの二人が気に入らないのか」
 あの二人とはアイオリアと、その兄アイオロスのことだ。嘗て、不自由に囲われる弟の反撥がやはり、黄金の兄弟である彼らに向けられるようになったのは知っている。それが今尚、燻っているのだろうか。
 だが、女神の聖闘士でありながら、海皇の海将軍でもある双子の弟はニヤリと笑ったのだ。決して、暗くはない笑みを口の端に乗せ、
「別に。もう、どうでもいいことだ。俺も今は日陰の身ってわけじゃないからな」
 信じてやりたい。……信じてもいいのだろう。サガは密かに吐息ついた。
「さて、今日は非番だし、もう一眠りするか」
「な…ッ。待て、カノン。折角、早起きをしたのだ。少しは──」
「却下。寝る」
 けんもほろろに、双子の片割れは宮の奥に引っ込んでしまった。

 聖域と海界を行き来する弟とは、本当の意味で和解したとは言い切れなかった。ただ、共に、一度は女神に背きながら、その女神のために戦い、命を散らしたという現実を認めていないわけでもないということだ。
 だが、それだけでは不十分なのだろうと、サガは思う。思ってはいても、どうしても、足踏みをしてしまう。歩み寄りが中々、できなかった。
 サガの躊躇いをカノンが気付かぬはずもなく、一歩二歩と退いてしまうのは御同様だ。
 とはいえ、破綻をきたした過去の、悪意に悪意を重ねたような会話でもなく、いつかは、もっと普通に話せる日も来るだろうと、信じてみたかった。
 互いしかいなかった、互いを思いやる純粋な感情しか知らなかった、あの頃のように。
 そして、アイオロスとアイオリアのように……。
 理想の兄弟像とされる今一組の黄金の兄弟。その在り様を、サガもまた、羨望の思いで見ていたのだ。

 但し、表出するものだけが全てではない。それは自身の過去を振り返れば、自明であるはずだが、サガは失念していた。
 やはり、これもまた、一種の思い込みに幻惑されているが故で、サガが、いや、他の何者も気付くことはないだろう。



 獅子宮に帰ったアイオリアは空けている間に、勝手に上がり込んでいる兄の小宇宙を察知し、軽く息をついた。登殿すれば、会えるだろうに、何事だろうか。
「兄さん」
「あぁ、おはよう、アイオリア。コーヒーを淹れたんだ。どうだ」
 コーヒーポットを片手に、兄アイオロスがキッチンから顔を覗かせる。
「今は水の方が良いよ。後で貰う」
「そうか」
 ポットとカップを手にリビングに移るアイオロスと入れ代わりにキッチンに入り、水分補給にミネラル・ウォーターを飲み干す。
「登殿前だってのに、わざわざ、下まで降りてきて、のんびりとモーニング・コーヒーを味わいに来たのか」
「いや、まぁ、うん……。双児宮で、カノンに会ったのだろう」
 幾らか口籠もっているが、それで、兄が飛んできた理由に思い至った。どうも兄は、過去の一連の件の要因を求め、アイオリアが未だに双子座の兄弟を許していないと思っているらしい。
 見当違いもいいところだが、一々、説明するようなことでもない。
 それよりも、人馬宮にいながら、双児宮の監視でもしていたのか? もう一つの、より強い可能性は見ぬ振りをする。
「確かに会ったが、中々、傑作だった。サガの法衣を着込んで、満面の笑顔で澄ましているカノンなど、お目にかかれないだろうしな」
「サガの法衣? コスプレでもしてたのか」
「かもな」
 兄の表現に一頻り笑う。
 やたらと絡んでくるようになった双子座のカノンだが、大した実害でもないので、放ってある。所詮は気紛れか、お遊びだろう。何れ、飽きるのではないかという期待もあった。


★        ☆        ★        ☆        ★


 大抵の人間は、法衣を着た双子座ならば、それはサガだと認識する。それが二人を傷付けるとも知らず──だが、仕方のないことでもあった。
 あの二人の小宇宙の判別は本当に難しい。二人並んでいてさえ、迷うことがあるほどだ。
 アイオリアが殆ど全く迷わないのは能力+αに直感なのだろう。
 だが、あのカノンがアイオリアを担ごうと躍起になっているのは、或いは逆に『見破って貰いたがっているため』かもしれないとも考えられる。そうやって、双子をきっちりと区別する者が、そこにいるのだと──確認したがっているのではないか?
 些か歪んでいるような気がしないでもないが。

 つらつらと考えていると、簡単にシャワーを浴びたアイオリアが戻ってきた。
「朝飯は食ったのか?」
「いや、まだだが」
「じゃ、ついでに食っていくか」
「済まんな。あ、手伝おうか」
「手伝って貰うほどじゃないよ」
 確かに、朝から手の込んだ食事《もの》を作ったりはしない。況してや、食事=栄養補給、という考えが念頭にあるアイオリアだ。
〈それも、俺のせい、かな〉
 七歳……。七歳で、荒波に放り出された弟。それまで、この兄と囲んだ食卓は楽しいものだったろうが、しかし、その思い出すら、どこまでも遠くなってしまった。アイオロス自身にとっては昨日のことのように思い出せるのはやはり、十三年という時間の隔絶が自分たち兄弟にはあるからだ。

「兄さん、コーヒーを淹れてくれよ」
 呼びかけに、沈思から引き上げられる。慌てて、ポットに手を伸ばし、カップに注ぐ。保温されていたコーヒーからはまだ、湯気が上がっていた。
 アイオリアが用意したサンドイッチを摘みながら、その弟を見返す。鏡を見ているような気分にも陥る。甦り後の、この違和感だけは未だに抜けない。
 あの赤子だった女神が可憐な少女へと成長したのだ。幼かった弟たちが、大人になっていても全く不思議ではない。
 しかし、己を映すようなこの姿は──幾ら兄弟とはいえ、双子でもないのに、と驚くよりない。
 そして、この姿故の苦労もあっただろうと思えば、また痛みも覚える。
「どうした、兄さん。食べないのか」
「あ、あぁ。頂くよ」
 ともかく、こうして、再び共に食卓につけることを女神に感謝して──アイオロスは心から思う。だが、実際のところ弟は……長き暗黒を彷徨っただろうアイオリアはどう思っているのか? ついつい、そんなことばかり、考えてしまう。

「兄さん」
「……ん? 何だ」
 考え込んでいると、どうも反応が遅れる。尤も、アイオリアの方は大して気にしていないようだ。それどころか、
「サガやカノンと問題を起こすようなことはないから、一々、下りてこなくてもいいぞ」「…………」
 相変わらずの直球勝負にはアイオロスさえもが戸惑う。
「俺が怒りに任せて、あの二人に手を出すのを心配しているようだが」
「絶対にない、と言いきれるか」
「ないな」
 キッパリと、間髪を容れぬ返答に、弟を見据える。その声音だけが常ならぬものであるのに気付いたからだ。
「確かに、何も感じなかったわけじゃない。聖戦の頃はな……。でも、今はもう関係ないよ。今更、俺が彼らに煩わされたり、心を乱されたりすることは絶対にないんだ」

カチャン…

 カップとソーサーが擦れる音が、やけに高く響いた。
 微動だにせずに、見返してくる弟の視線を受け止める。殆ど同じ色彩の瞳が切り結ばれる。
 共に、互いを圧するような強い輝きに満ちた双眸が……!

「何故なら、兄さん。俺の感情は全て、兄さんのものだからだ。
昔も今も、愛情も悲哀も、そして、憎悪でさえも」

 薄く笑う弟の言葉が全身に染み渡る。冷たくも鮮烈な疼きが背筋を駆け上がる。何と、甘美な刺激だろうか?
 アイオロスもまた、笑みを深めた。誰もが目を疑うような昏い笑みを。
「フ…。いつか、お前に殺されるかもしれないな」
「そうだな。兄さんが俺を、殺すのかもしれない」
 笑い合いながら、とんでもない予言を交し合う黄金の兄弟──英雄と誉れ高い兄と、逆境に落とされながらも、決して心折れず、立ち続けた弟──今は謗る者もなく、誰もが憧憬と尊敬の念を以て、見上げる輝かしき黄金の兄弟。
 まさか、その二人が互いに対し、これほどに深く昏い思いをぶつけ合っていることなど、誰も知るはずがなかった。
 愛情と憎悪は或いは表裏一体。何れが深くとも、何れとも重くなる……。


「御馳走さん。美味かったよ」
 立ち上がり、食器を下げようとすると、弟は「そのままでいい」と言ったが、
「いや。これくらいしておかないと、後が怖そうだ」
「そんなことで、恨みに思うわけがないだろう」
「そうかもな」
 だが、アイオロスはきっちり、洗い物まで済ませ、戻った。弟はまだ、コーヒーを啜っている。
「それじゃ、アイオリア。後で、教皇宮でな」
「ちゃんと、時間通りに出仕してくれよ。いい加減、シオン様に文句を言われるのも飽きてきたからな」
「ハイハイ」
 肩を竦め、アイオロスは獅子宮を後にした。


★        ☆        ★        ☆        ★


 人馬宮への長い階段を登りながら、思い返すのは弟のことばかりだ。
 アイオリアは勘繰っていたようだが、別に監視していたわけではない。ただ、無意識にその小宇宙を追ってしまう。どこにいるのか、直ぐに解る。
 そして、双児宮でカノンと接触しているのに矢も楯もたまらず、人馬宮を飛び出したのだ。
 カノンだけではない、サガも──過去の経緯と狂わされたアイオリアの十三年を思えば、あの双子との確執は未だに避けられないようにも考えてしまう。

 だが…、弟が、アイオリアが彼らに怒りや憎しみといった烈しい感情を向けるとしたら──アイオロスには何より我慢ならないことなのだ。
 他の誰にも、そんなにも強い感情を持って欲しくはない。それが如何なる感情でも、負の感情であってさえも、兄である自分以外の誰にも──!!
 鮮烈な翠色の瞳に乗せられる様々な感情が、この自分にだけ真直ぐに向けられる。強い強い眼差しが他の誰でもない、この兄にだけに!

 アイオロスは足を止め、苦笑した。カノンを歪んでいる、などと評してみたが、実は自分の方が余程、歪みまくっている。いや、自分たち兄弟が、というべきだろうか。
 これは自分に限ったことではない。弟も同じ思いを自分に向けているはずだ。その認識がまた酷く心地好いほどだ。
 こんな自分を、人は英雄などと呼ぶ。全く、お笑いではないか。
 だが、確かにそうだ。他人がどう思おうが、どうでもいい。英雄でも逆賊でも、関係はない。
 自分にとって、必要なのも重要なのも──……。

 アイオロスは登ってきた十二宮の階段を振り返り、見下ろす。幾つかの宮が見え隠れするが、目に映るのは獅子宮だけといっても過言ではなかった。
 そして、確信があった。今頃、あの獅子宮ではきっと弟が此方を見上げている。
 離れていても、その目が見出すのは互いだけだ。

「フ…。いつか、お前に殺されるかもしれないな」
「そうだな。兄さんが俺を、殺すのかもしれない」

 成就されるか否かも分からぬ予言。
 ただ、その瞬間、互い以外には目もくれずに、向き合うことは間違いない。
 果てしなく、昏く、そして、互いに纏わりつきながら、決して、交わることのない螺旋の如き思いを育てながら──……。

続き



 やっちまった。『ロス誕』話では明るい話だったのに、一度はこーゆー黒っぽいのも……つーか、冬コミ本で久々に『天空戦記』話の兄弟物書いたのが効いたなぁ。もうバリバリの『兄弟愛憎劇』だったからな!!
 で、『兄弟聖闘士祭』さまに募集ギリギリ投稿★ ちゃんと間に合うかな?
 もう一組の黄金兄弟として、それから、十三年前の件の絡みもあって、双子座の御二方を登場させましたが、まだ輝の中では固まっていない方々ですね。とりあえず、今回の話は他とは確実に浮いている話だから、今回限りの設定でしょうかね。
 カノンなんか、もう少し懐が広いイメージだから。昔はともかく^^; サガは……奥が深すぎて、突っ込めない人です。一番、難しい人……だから、分裂したのだろうか??

2007.12.23.

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