★『ホジュン〜宮廷医官への道〜』:ホ・ジュン (MBC・1999-2000 全64話) グァンリョル兄貴の出世作。朝鮮王朝中期に実在した名医・許浚《ホ・ジュン》一生の物語。グァンリョル兄貴は主役に大抜擢され、『この作品に骨を埋める』覚悟で臨んだとのこと。渾身の演技もあり、韓流史劇に於いては驚異の視聴率歴代一位の63.5%を叩き出した。この記録は今尚、破られていない。 何せ、本放送当時は『ホジュンシンドローム』なる現象で、街から人の姿が消えたとか。日本でいうところの『君の名は』現象てな感じか^^ 原作小説(大元は更に過去のドラマのシナリオ)は未完だが、本作ではホジュンの一生を描き切っている。その人生とは──とにかく、波乱万丈。次々にと難題ばかりが降りかかってくる。 初登場時は19歳の青年という設定。演じる兄貴は実は既に39歳。ま、70代まで演じるわけだから、この辺は気付かぬ振りで^^ ホ・ジュンの父親は両班《ヤンパン》(朝鮮王朝時代の貴族階級)の武官だったが、卑民の母親と同じ低い身分でしかなかった。能力的には文武に秀でていたが、卑民が官になることは許されておらず、自堕落な生活を送っていた。挙句に密貿易で稼ぐようにまで……。腕が立ち、頭は切れ、度胸の良さでも、一目置かれているほどだった。とはいえ、心底では、そんな日々に希望を抱けるわけもなく、過ごしていた。 だが、ある日、父親の冤罪故に流され、逃れてきた両班の娘を助けたことで、ホ・ジュンの運命も変わる。 やがて、母親とともに故郷・龍川《ヨンチョン》を出ることになったホ・ジュン。助けた両班の娘ダヒもまた、ともに……。身分違いの結婚など許されていなかったが、二人は想い合うようになっていたのだ。 ところが、逃亡の途中で立ち寄った漢陽《ハニャン》で、ダヒと別れ別れになってしまうことに。失意の中、父親の伝で、山陰《サヌム》に辿り着くが、そこで、ホ・ジュンは生涯の師となる医員ユ・ウィテと出会い、医術の道を志すようになる。 いつか、患者に寄り添える医員たる心医を目指し……。 当初のホ・ジュンはとにかく、暴れん坊のイメージ。下手に腕が立つものだから、医術の道に入り、先輩たちのイジメにあっても、返り討ちにしてしまったりして;;; 結構、先の方まで、時には腕の良さを見せた辺りが個人的には好きだったりした。医官になってさえも、久々に引いたはずの弓まで、あっさり、的に命中させてたりして^^ 恋愛模様が関わるのもまた、韓流ドラマのお約束。後を追ってきたダヒとの再会と結婚。ユ・ウィテの養女で、医術に精通しているイジェンも、やがてはホ・ジュンを慕うように。また、ユ・ウィテの息子ユ・ドジはイェジンを想い続けており、ホ・ジュンに嫉妬とライバル心を抱くようになる。 他の登場人物たちも含めて、人の感情が行動に繋がり、状況を生み、事態を動かす。それが歴史にもなっていく。ドラマ上の物語は殆どがフィクションだというが、だとしても、人の関わり合いが生む物語として、目が離せなかった。 人間関係での輝のお気に入りは、弟分のヤンテや山陰からのイルソたちとの関係が最後まで続いたこと。医官として認められ、身分を得ても、最後までヤンテは弟分。イルソも友人として付き合っていたのが嬉しくもあった。
グァンリョル兄貴のキャスティングは大成功。宣言通りの熱演振りは凄まじく、最終回が近くなってのロケ先などでは、兄貴を本物のホ・ジュンと信じているかのように「ホ・ジュンに診て欲しい」と訪ねてくる人もいたとか。 ホ・ジュン役によって、MBC演技大賞・大賞を受賞。以後、大河物語には欠かせない役者と認められ、高視聴率男などと評されるようにもなった☆ 完全制覇第一号作品。未完の原作小説も全三巻読破済み☆ 『ホジュン〜宮廷医官への道〜』公式サイト |